トロリー・ライン
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夏の風の日記
今年の夏は、暑かった。
しかし、どれだけ暑かろうと、夏は路面電車を撮らねばならない。
夏と路面電車が好きな者の性である。
私の夏は、万葉線から始まった。
梅雨の中休み、底抜けするほど青い空と、色とりどりの万葉線電車。
暑さなんか忘れて、ひたすら自転車を漕ぎ続けた。
夏と言えば、江ノ電。
路面電車かと言われると怪しい存在ではあるが、併用軌道があるからいい。
そんな江ノ島の夏の風物詩は天王祭。
狭い併用軌道に、大型の電車と神輿が入り乱れるカオスな光景。
日本もアジアなのだと、改めて思う時。
夏の濃尾平野は、とにかく暑い。
じりじりとした陽射しが、明治生まれの路面電車を照らしつける。
100年前の夏はこんなに暑くなかっただろうな。
なんてくだらないことを考えながら、カメラを向ける。
夏が来る度、私は大阪に行きたくなる。
涼しげなブルーとイエローの車体は、夏が一番似合うから。
陽が落ちて、少しぬるい風が頬を撫でる。
まだまだ夏が続けばいいのに。と思っても、それは叶わない。
来年の夏はもまた、路面電車を撮らねば。
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