トロリー・ライン
GALLERY
常設展示
TOPGALLERY ▶ HAKODATE
早朝5時、駒場車庫。まだまだ夜も明けぬうちから、市民の足は目を覚ます。
始発より1時間も前に、1台の電車が車庫から飛び出す。
架線の霜を取り、レールにフランジをつけるための電車だ。
降雪が多い時は、ササラ電車の出番だ。
小さな車体だが、力強く雪を跳ね除けていく。
一仕事を終え、慰労の時。
始発が走り出す。冬場の始発に使われるのは、大抵最古参の500型だ。
大きくて重く、直接制御で走る500型は、製造から70年以上が経つ今もなお乗務員からの信頼が厚い。
電車が走り始めると、街も目を覚ます。人も車も動き出し、今日という一日が始まる。
冬の函館の天気は目まぐるしく変わる。
吹雪いていたと思えば晴れ、しかしそれは一瞬で、また空は白に覆われる。
冬至の函館の日没は16時9分。あっという間に昼が終わり、空は灰色を濃くしていく。
静かに更けていく長い夜を、雪が明るく照らす。
次のページへ >>>
1 2 3 4 5 6