トロリー・ライン
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常設展示
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ここは越ノ潟、万葉線の終点。港の片隅にある、小さな終点だ。
後には高い新湊大橋が架かり、北九州に馴染みのある私は戸畑と何か似たものを感じる。
越ノ潟から対岸の堀岡まではフェリーが出ている。富山新港の建設で分断された電車の代替手段だ。
堀岡からもかつては富山まで地鉄電車が出ていたが、今はもうない。
線路は新湊を目指して、しばらくまっすぐ走る。この辺りは電停間の距離も長く、電車は快調に走っていく。
「言問わぬ 木すら紫陽花 諸弟らが 練りのむらとに あざむかえけり」
大伴家持が唯一紫陽花を詠んだ歌。東新湊では夏の訪れと共に万葉線の線路際を彩る。
多くの漁船が係留された運河を見下ろしながら、電車は新湊の中心地に入っていく。この辺りは「日本のベニス」とも呼ばれる観光地。
いささか頼りない橋で、電車は庄川を渡る。
小さな路面電車が大きい川を渡っていく姿は、ちょっとだけミスマッチで可愛らしい。
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